日本のイス文化

日本では平安時代に身分によって、椅子、床子などが用いられることがあったが、継続・普及しなかった。屋外においては、戦場などで折りたたみ椅子(「床几(しょうぎ)」)や、また露天の茶店などでベンチに相当する椅子(「縁台(えんだい)」)は用いられた。ただしこれらは一時的に腰を掛けるものであり、普段は畳に直接座る生活習慣を持っていた。江戸時代以前でも西洋と交流・交易のあった場所や、教会や洋館などでは用いられていた。 文明開化を経た後、学校や役場などでは椅子が用いられるようになった。しかし一般家庭に普及するには時間がかかった。和室・畳文化の生活習慣や、畳の上での使用の不自由さなど、椅子を用いる必然性が低かったためである。 日本の一般家庭で椅子が用いられるようになったのは、明治時代に入って西洋文化が流入し、洋間が取り入れられるようになってからである。それまでは座布団などが椅子の役目を担っていた。 現代日本では学校や一般家庭をはじめ多くの場所で用いられている。